ホットマン 取締役会長の田中富太郎さんほか役員のみなさんと

ホットマン 取締役会長の田中富太郎さんほか役員のみなさんと

 

青梅に行って来たのです。おなじ東京都内だけど、うちから約2時間。

初秋の渓谷と水が美しい場所。ホットマンの本社工場へお邪魔したのです。

説明するまでもないと思うのですが、ホットマンは高品質なタオルでおなじみの一大ブランドですよ。 

贈答品として贈ったり、贈られたり、よいしょっと自宅用に買う人も多いかもしれないけど、これがじつは日本製で、東京で作られてるってことを知らなかったという人もあるんじゃなかろうか。

少なくとも私は、ずっと外国製だと思ってたんだよなあ。

 自著「買ってよかったモノ語り」の中で、ホットマンの白いバスタオルについて書かせてもらいました。

 ざっと説明すると、かれこれ13年前に娘が生まれたときに、出産祝いの内祝いを百貨店に買いに行ったときにホットマンのタオルと出会ったのです。

おびただしい数のタオルが並ぶ中、「これにしよう」と思ったのは、シンプルで高品質ということもさることながら、そのとき接客してくれた店員さんの対応が素晴らしかったから。これが決め手になること、あるでしょ?

 そのときのやりとりが、我が家のタオルとのつきあい方、もっと言えばモノの選び方や、暮らしのありように影響を与えたようなところも大きくて。

本にはそんな経緯を書いたのです。

 でね。

本がきっかけで、「この店員っておまえのことじゃないか?」「もしかするとそうかも」となって、連絡してくださったのが当時伊勢丹百貨店で販売を担当してらした、ホットマン現営業副本部長・平谷治さん。

(私は伊勢丹の方だと思い込んでいたのだけれど、ホットマンの社員さんだったのですね。ホットマンのタオルは、直営店はもちろん、百貨店でも必ずやホットマンの社員さんがブースをかまえ販売するそうな)

 「本には百貨店の名前をださなかったのに、よくまあおわかりに・・・」

「犬小屋が、決定打でした。タオルを売るときに、犬小屋の話をするのはおまえだろうと」

 むほほ。詳しくは本をぜひお読みくださいまし。

 とにかくそんなご縁で、ホットマン本社工場で年に二回行なわれる「お客様感謝デー」に招いていただいて、工場も見せてもらって、さらにセール会場で「ホットマンのタオルがこんなに安く!」な興奮と喜びを味わってきたのです。

 でもなによりは、平谷さんと再会できたこと。

13年前にタオルを買ったいち客と、店員さんがですよ。手を取り合って喜びあえる日が来るなんて、まあ。 

もちろんお互い顔を覚えてるわけないんだけど、でも私はね、お会いした瞬間に「ああ、このたたずまい、きゃーお懐かしい~」って思った。ホント。

一枚の白いタオルがもたらした、出会いと再会のものがたり。

 平谷さんも、工場にも、事務所にも、なんともいい気が満ちていたのは、「いいものを作って売っている」喜びがあればこそだと感じたのです。

 おっちゃんもおばちゃんも、お姉さんもお兄さんも、そこにたずさわる人たちが生き生きしてて、じっさい作られる現場を見て、やっぱりものすごくちゃんと作られたタオルなんやーと確信。

とうぜんホットマンの手柄なんだけど、「こういう現場で作られたものをちゃんと『いいっ!』と選んだ私はやっぱりたいしたものだ」とも思ったりしてね。

 私たちとの再会を平谷さんはものすごく喜んでくださって、それはそれは幸せだった。おこがましい言い方だけど、きっとお互いにとって。

 でも、思うのです。

 この再会はとてもわかりやすい形でお互いが「よかったー」って思える瞬間を13年を経て迎えられたラッキーなケースだけどね。目に見えない形で、うちと同じような喜びや気持ちいいを、あちこちでもたらしてるに違いない。 

なお、ホットマンでは毎年3月と10月にこの「お客様感謝祭」を開催するそうな。

 パフォーマーの公演や、工場見学や、タオル染色体験(100円でちゃんとホットマンのタオルハンカチ獲得→束で染めまくる人がいっぱい)も楽しかったし、アホほど簡単なクイズラリーで正解するとご褒美がもらえるわ、「薄く切るのが下手な人が切ったのか」と疑うほどぶ厚いチャーシュー入りのラーメンが250円だわ、うひょひょの連続。

 それになんたって、セール会場。たとえば超高品質なホットマンのタオルケット(ふつうよりロング)が4800円なんて、ありえないですぜ。遠方からでも出向く価値大ありでっせ。

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13年めの再会。平谷さんと、縁結びのホットマンの白いタオル。

 

 

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↑つっかけサンダル以外は、すべて、13歳/女子/中学生の靴なのです。

履き主はすべてバラバラだから、7人ぶんの13歳の女子の靴。

これをしげしげと眺めながら、そういえばなあ、と思ったのです。

自分がこの年齢だったときに履いていた靴のこと、はっきり覚えてるわーって。

通学のときの制靴ではなく、休みの日に友だちの家へお呼ばれとか、友だちと映画に行ったりするときの靴のことですよ。私の13歳のときのそれは、忘れもしない、赤茶色のモカシンだった。

インディアンの守り神みたいなビーズ刺繍と、フリジンがふさふさついている。大流行したので、きっと「持ってる」人は多いんじゃなかろうか。本皮で、色落ちが激しいので、雨の日には白い靴下がまっ赤茶色に染まって母から「水たまりをよけて歩きなさーい」と言われたものだ。でも汗をかいただけでも色は落ちるのです。

小学生の頃に「いわゆるおでかけ」ではいていた黒い革の、ベルトをホックでぱちんととめる『ピアノの発表会の靴」タイプって、かわいすぎて、そろそろ似合わなくなってきた。

(それ以前にもう恥ずかしくて履けない)

学校のローファーなんか絶対にいや。ちょっと大人っぽいヒール靴に憧れるぅ~♡

でも親から「あんたにはまだ大人っぽすぎるよ」と言われ、兄貴や姉貴からは「ぷぷっ」と漏れる。

その点、モカシンって、ちょう~どいいんですね。

流行をおっかけすぎず、かといっておしゃれを放棄しているわけでもなく。

カジュアルでありながら大人受けがよく、それなりにちゃんとした出先(模擬テストとか親との外食とか)でもOKで、かつ、脱ぎはきしやすい。

大人ほどの発言権はない。ものを買う決定権も財布の紐も親がもち、かといって心はもう子どもじゃないから、おませな格好もしてみたい。自分にとっての社会もどんどん広がっているのよお。でもまだじぶんはしょせん子どもだっていうことをわかっていたり、そこにまだ逃げ込める年齢であったりもする。

というわけで、モカシン。13歳の最大公約数靴だったと思うのです。

さて、ここに並んだ13歳の女子たちの靴は、それぞれのご家庭の玄関で、どのように言われているのでしょうねえ。

「おまえ、なんだあの靴は・・・・」

「ママにも貸してね、いまママと同じでしょサイズ」

「まだ大人っぽすぎるよ」

「下品だ、最近どんな友だちとつきあってるんだ」

「こんな靴、脱ぎ履きが不便だろう」

「あの子もいいかげんに、ちょっとぐらいお洒落に目覚めてほしいわ・・・・・・」

「ひもをちゃんと結んでおきなさい」

「かかと踏んではくなよ」

「ねえねえ。なんでわざわざこの色買ったわけー?」

「いつまでたっても洗わないから、きのう洗っておいたからね 次からは知らないよ 捨てるよ」

・・・・・

さて、みなさまは。13歳のとき、どんな靴を履いてましたか?

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いま我が家で毎日炊かれているお米は、

新米なのです。

新米なのです。

新潟の上越からどどーんと届いた。きらっきらの新米。神々しいまでの輝きとおいしさです。

「うんうん、新米の季節よねえ、新米はおいしいわよねえ」と、パソコンの前で頷いてくれてる方には申し訳ないけど、こちとらそんなのんきに微笑んでられないのですよ、今年は。

なぜならば、このお米、

じぶんで

じぶんで

田んぼに

田んぼに

植えたんですもの~♪

植えたんですもの~♪

ゴールデンウイークにね、田植えにまぜてもらったんです。新潟の上越まで、近所のファミリーが毎年「田植えの手伝いに帰る」、その車に同乗させてもらって。娘と。

ありきたりな言葉しか浮かばないのが歯がゆいですが、もう素直に言います。

                  お米のありがたさがわかりました。
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お米って、植えるの大変。
育てるのは、きっともっと大変。
じじつ、日照不足で不作だったんだと、今年は。
お米ってありがたいなあ~、というよりも、日本人の人口ぶんの口に毎日お米が入ってることが奇跡や~って思ったのです。むしろ不思議。
 
やっぱり人間はいちどは田植えをしたらええ。議論にするまでもなく、それがええ。
 
かつてのタイ航空の名コピーに「タイは、若いうちに行け」というのがありましたが、それになぞらえて言うのです。
 
「田へは、若いうちに行け」
 
さて。あたくしは、ぎりぎり間に合ったかな。
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く・り・ご・は~~~~~~ん

く・り・ご・は~~~~~~ん

空腹状態でこれをごらんになってるみなさま、ごめんあそばせ。 

いえ~す! ディス・イズ くっ・りっ・ご・は~~~~~~~~~~~ん!!!

栗ごはんって本っ当においしいですよねえ。

栗ごはんを食べているときって、つくづく自分以外の人類が気の毒になってしまうのです。

というのはね。大好きな栗ごはんを食べてるときの私は世界一幸せだから、食べてない人は気の毒っていうことももちろんあるのだけれど、もうひとつ。「はたして地球上に栗ごはんをおいしいと思える民族がどれだけいるのか」が疑問だからなのです。

栗ごはんって、栗は甘いのに、塩味でしょう。塩が甘みをひきたたせる。それはもはや日本人にとっては当たり前のこと。でもこれ、全世界的には果たしてどうなんだろうと。

友人のMちゃんがエジプトの民家でスイカをふるまわれたときに、テーブルの上にあった食卓塩を振りかけたらその場にいたエジプト人全員が一瞬凍りついてしまったそうな。次の瞬間、Mちゃんは指さして笑われ、さらに翌日には町内全域で「日本人は甘いスイカにわざわざ塩をかけた」という話題でもちきりになったそうな。

そう言われてみれば、エジプトやその周辺の国では、甘いものはとことん甘い。頭痛がするくらい砂糖を加えて甘いものをさらに甘くする。よく知らずに語るべきではないかもしれないけど、甘さをひきたてるために塩を加えるなんて、スイカに限らず、栗ごはんもまた彼らにとっては「おかしいぜ」なものかもしれんと思うわけです。

「世界はひとつ。人間は必ずわかりあえる」と、人は言う。

「文化や習慣は異なれど、根源的な感覚には大差がない。悲しいメロディは誰が聞いてももの悲しいし、マイケルジャクソンのダンスは誰が見てもかっこいいと思うじゃないか」

たしかにそうだなとは思うのです。

だけど、味覚や食べ物の習慣についていえば「理解なんて無理無理無理、ぜったい無理」ということ、わりとあるんじゃなかろうか。いかがです、みなさん。

でもなあ。ほんのり塩味のバゲットにはちみつやジャムを塗るのはどこの世界でも奇異ではなかろうし、ナビスコのクラッカーも本体は甘いけど表面には塩をまぶしてるもんなあ。うーむ。はたして、スイカに塩が特殊なだけなんでしょうか。

気になってきました。

今後は甘さと塩の関係に着目して、世界の味覚を考察して行きたいと思います。果たして、「栗ごはん」は全ての人類から「おいしい」と受け入れられるのか? 

いまいち論点も結論も定まらない話ですんません。

「じぶんは栗ごはんをおいしいと思える民族に生まれてよかった!」ということだけは、今のところ確実なんですが。

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情けない話ながら、ここ数日じつに乱れた生活送っていて、体内時計もぐちゃぐちゃ状態なのです。あかん。こんなんじゃ。こんなのいいわけない。まるで免罪符のように「ごめん、ごめん」を大放出しているところがまた気に入らない。

目が覚めるとすでにお日様はとうに頭の上に上がっていて、夫がでかけるところ。

「いってきまーす」

「いってらっはい・・・・」

と、階段を下りていった夫が、なぜかふたたびもどってきた。はて。忘れ物か?

「言うの忘れてた。さっき、あの木から落ち葉がぶわーって舞って、むっちゃきれいだったんだべ。あっ、靴をベランダに干してあるから2時半に入れておいてね」

んー。

what a beautiful day。

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ひかえい。伊東屋のビニール傘さまじゃて。

ひかえい。伊東屋のビニール傘さまじゃて。

 

ここ一年で三回も訪れた、セルビア共和国・首都のベオグラード。

毎回、さんざん世話になりまくっている常宿、「チルトン・ホステル/Chillton Hostel」のボイカンさんに送った本が、今日届いたようです(送料480円のエコノミー航空便で、わずか一週間でバルカン半島の小さなホステルに届くとは。すごいねえ)。

最近、外国の人と連絡を取る時には、インターネットの無料電話・スカイプ(skype)を使うのです。

無料だけあって電話は音声状態が悪いんだけど、チャット機能で文字を打って話せるのがありがたい。私の英語力(中学生英語のボキャブラリーを最大限に駆使。ある意味、ボキャブラリーが豊かな人よりも高度な会話テクニックを要す。例→左と言いたいのに単語が思い浮かばないときに「右じゃないほう」と言う、など)の場合、チャットのほうがよっぽど話がスムーズ。「はあ?」って聞き返さなくていいし、電子辞書ひきながら文字が打てるし。というわけで、もっぱらチャットなのです。

 で、話を戻すと、新刊「買ってよかったモノ語り」を受け取ったボイカンさん(38歳)の反応です。

ねんのため復習しておきましょう。この本には「森優子がこれまでの人生で、心底、買ってよかったーっと思うもの36アイテム」を紹介しておるんでしたね。

とうぜん日本語が読めないボイカン。

そんな彼が、写真だけを見て「俺もこれがほしい」と思ったものが次のふたつあった、という話なのです。

まずひとつめはこれ↓

 

階段をぐいぐい上る三輪ショッピング・キャリー

階段をぐいぐい上る三輪ショッピング・キャリー

 

三輪式キャリー。

理由は?

「息子のイーリャ(5歳)が喜びそうだから」

はああ。

息子にべろんべろんに弱いボイカンらしい。やれやれ、なのです。

なるほどね。いずれにせよ、かつてこれを買ったときの私と同じく「なんじゃこりゃ?!」な外見に惹かれたわけね。

で、彼が気になったもうひとつというのが、↑上の写真の「伊東屋のビニール傘」だったんですね。

 

本の中にもちょっと書いたけど、ビニール傘ってじつは日本でだけ普及してるものなんですってね。

だから映画「バトル・ロワイアル」で北野武氏が雨の中でビニール傘をさして登場するシーンでは、海外の上映会場では「あの変な傘はなに?」とどよめきが起こり、その反応を見たスタッフがバトル・ロワイヤルのロゴ入りビニール傘を会場で販売したら飛ぶように売れた、とか。

この話を聞くと、不思議に思ってしまう。面白がるなら、ふつうに世界中で普及したっておかしくないのに。ねえ。なんで普及しないんでしょ。

推測してみたのです。

日本人は雨に濡れるのを嫌う民族→小雨がぱらついただけでも傘をさす→使い捨て感覚のビニール傘が重宝

それ以外の民族にとっては、そうではないってことかな、と。

外国って、けっこうな雨脚でも傘をささず歩いている人が多いんですよね。このあいだ行ったトルコではその傾向が特に顕著だった。

街中で、濡れながら平気な顔で歩いている若者たちとすれ違いながら、心の中で何度叫んだことでしょう。

「おにいさ~ん! 酸性雨あびると、ハゲるでえ~~!」

↑この信憑性についての議論は、ここではおいといて、と。

つまり日本以外の国ではそもそも「ビニール傘が必要!」と求められる需要がない。感性が違う。また、傘はそれなりにちゃんとした道具であって、使い捨てなんて考えられないという感覚もあるのかもしれませんわね。

いずれにせよ、ボイカンさんにとっては「初めて見たよ!」という物だったわけです。ビニール傘は。

「へえ、東京で売られてるんだあ」

「ほしい?」

「うん。僕がほしいっていうより、妻のミレナが喜びそう」

(やれやれパートⅡ。彼はむちゃむちゃ愛妻家でもあるのです。ボイカン殺すに刃物はいらぬ、家族と半日引き離せば・・・・という級の)

ミレナは版画のアーティストで、すばらしい美的センスの持ち主なのです。

「とてもユニークな傘だから、アーティストの彼女は、きっとすごく気に入ると思う」

まじめで、超がつくほど親切で、家族思いのボイカンくん、続ける。

「と、いっても」

と、いっても?

「きっと家の中でしかささないと思うけど」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

要するに。

ビニール傘は日本を一歩出ると、やっぱり「とんでも珍品」・・・・ってことなんじゃね。

こんなにきれいで、便利なのにねえ。ちなみに伊東屋のビニール傘は使い捨てレベルの傘ではありません。詳しくは「買ってよかったモノ語り」118ページをご覧下さいまし。

こんなにきれいで、便利なのにねえ。ちなみに伊東屋のビニール傘は使い捨てレベルの傘ではありません。詳しくは「買ってよかったモノ語り」118ページをご覧下さいまし。

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びっくり!

びっくり!

                            で、

しょうが!

しょうが!

どどどーんと、届いたのです! 秋の味覚、静岡から~♪♪♪

栗、およそ200個。

新生姜、およそ3キロ。

ひとつの箱にぎっしり、どっさり。地元の新聞紙にくるまれて到着~!

えへへ。どうです。おいしそうでしょう。香りや湿り気まで漂ってきそうでしょ。ついでに虫も出てきそうでしょう。新鮮+安全性この上なしですからね。

いくつかの土地にいるのです。季節折々の味を送ってくださる方が。

でね。こういったものが届くたびに思うのです。

自分ではそうそう買わない品と量。こういうものに自分たちは育てられ、保たれてきたなあ、と。

旬を知ること。旬の素材と向き合うこと。

あらかじめ皮がむかれた「栗ごはんパック」を炊飯器に放り込むのではなく。

料理上手でマメで研究熱心な人にとってはそうではないかもしれないけれど、我が家の場合は、食べることは大好きだけど特別マメってわけじゃない。だから特にだと思うのです。新たな「おいしい!」に出会えるのはこんな箱が届いたとき。

確実においしいとわかっているスタンダードな調理法から逸脱して冒険したり、どっちゃり惜しげなく贅沢に使ったり。へんな言い方ですが、「さてどうするかなあ」と、ちょっぴり困りながら台所に立つ機会をちょくちょく与えられてきたからこそ、進歩したり、これまで損なわずに保てたものがあったと思うんですね。

ご近所づきあいも育んでくれたなあ~。

「たくさんいただいたので」

「まあ、おいしそう!」

こんなやり取りでもない限り、よそのドアを叩くことってあんまりないもんね。

それらはやがてアジの干物に、弘前りんごに、「白い恋人」になって、戻ってきたりもするし、「おたくの洗濯物がうちに落ちてきてましたよ」「あら~すいませ~ん」なんてやり取りがスムーズなのも、やっぱり無関係ではないと思うんだな。

ちなみに今回の栗と生姜は、近所のMちゃんがいちはやく「栗ごはん」と「生姜甘酢漬け」にしてくれて、けっきょく私たちの口に入ったのでした♪ 簡単でおいしい甘酢漬けの方法、教えてもらった。

安野光雅の絵本「ふしぎなきかい」みたい。

何かを入れると、別のものになって出てくるの。何になって出てくるかは、わからないんだけど。

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おや。

もしかすると今日は私と夫の結婚記念日ではないか、と、夕方すぎてから気がついたのです。

数時間後、ダーリンは会社から帰宅するなり、ほかほか・ふにゃふにゃ湿った紙袋をぐっとつき出して私に言いました。

「結婚15周年おめでとう~」

おっほほほおー 気づいていたのかあ。彼は。

紙袋の中身は回転焼き3個。
あずき、クリーム、白あん。

なぜ回転焼きかというと、お祝い=お赤飯=つぶあん=回転焼きという発想なんだとさ。

と。
ここで唐突ながら、ちょっと泉ピン子について語ってみるのです。

私は泉ピン子という女優さんのことをよく知らないし、どっちかというとあまり好きなタイプじゃない、いやむしろ・・・嫌いな部類に入ると思っていたのです。

でも先日テレビで「おおっ」と思わされた。

彼女、けっこう年齢が高くなってから、一般の男性と結婚したらしい。ほんの数年前に(知らなかった)

その結婚生活について、泉ピン子さんが司会者から問われたときの内容、うろ覚えではありますが、たしかこんな会話だったのです。

「離婚せず、うまくいってる理由はなんだと思います?」

「夫婦って、趣味とか食べ物とか、好きなものが同じほうがいいとかいうじゃない。
でもね、私はね。
好きなものが同じよりね、嫌いなこと、いやだと思うことが同じほうがいいと思うのよ」

このときばかりは、思ったのです。

ピン子に一票。

なにはともあれ、おかげさまでうちも16年目に突入です。

 

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森優子 著者近影

森優子 もりゆうこ/Yuko Mori

旅行コラムニスト/イラスト・エッセイスト。1967年大阪生まれ。大阪芸術大学美術学科卒

学生時代、サハラ砂漠を歩いているときに出会った人物にスカウトされて上京、ガイドブックの編集事務所に就職。93年独立、イラストを含めた執筆活動をスタート。ユーモラスで地に足の着いた旅行術&生活術は、「そうそう」「あるある」「なるほど」という多くの共感を読者から得ている。現在は東京都内にて中学生の娘・夫との三人暮らし。訪れた国は約40カ国。

森優子の最新著作

買ってよかったモノ語り 表紙

買ってよかったモノ語り

晶文社 1,500円(税別)