10インチ君二人

じゃかじゃーん。

長年愛用した10インチ君が息を引き取ってからテレビのない日々を過ごしていた我が家に、助っ人が現れました!

「いよいよ買ったのか!」と言えば・・・のんのんの~~ん。

近所の電気屋さんが「納得のゆくテレビが見つかるまでどうぞ使ってください」と、10インチのブラウン管テレビを譲ってくださったのです~~。

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それがなんと、故・愛器と同じ型のSONY10インチ。後継機の弟ぶんだあ(二年若い1996年製)!

「うちの店で、テレビが故障したお客様への代替機として使ってるものなんです。でも今はほとんど出番がありませんし、よかったらどうぞ」

あああ。

あああああ。

本当にありがとう、ありがとう。

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二台並んだ姿はまさに兄弟。「あとのことは頼んだぞ・・・弟よ・・・」「おう、兄貴」

「あとのことは頼んだぞ・・・弟よ・・・」「おう、兄貴」

長年の定位置から退いた10インチ君。おつかれさんやったねー。

長年の定位置から退いた10インチ君。おつかれさんやったねー。

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テレビのない日々は静かで、それなりに快適ではありました。

しかしね。やはりですね。

新聞とラジオと電車の中の吊広告だけがニュースソースという日々は、紀子さまのご実家みたいに「能動的にテレビを持たない・見ない」という信念でもない限り厳しいものがあるなあ・・・と実感したのです。

べつに「テレビが見られないとイライラする」ってほどではないんだけれど、ふとした瞬間に「ありゃ、ワタシなんかちょっと社会とズレてる?」って感じるような。うっすら隔絶感みたいなものがあるというか。

朝夕にしかつけないテレビからでも、やっぱり日々なんだかんだと情報やら感化やらを受けているものなんでしょうなあ。

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それにしても、現代っ子の中二娘がテレビなし生活中に不満不満を一度もこぼさなかったことには、ちょっと「へえー」だった。

大好きな嵐が登場する『ひみつの嵐ちゃん』や、首を長くして放映を待っていた松潤主演のドラマ『夏の恋は虹色に輝く』が見られなくても、「中途半端なテレビを妥協して買うくらいなら」ってね。

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さすがに8日目ぐらいに、

映像への欲求

って、いきなりノートパソコンでDVDを見始めたのには笑っちゃったけど。

 

うちにあるDVDソフトはインド映画がほとんどだから、ソフトボールの部活から帰ったら→インド映画→宿題にいそしむ→夕飯の味噌汁をすすりながらインド映画、って感じですごした女子中学生の夏・約3週間(^^;)。

うちにあるDVDソフトはインド映画がほとんどだから、ソフトボールの部活から帰ったら→インド映画→夏休みの宿題にいそしむ→夕飯の味噌汁をすすりながらインド映画、って感じですごした女子中学生の夏(^^;)。

・・・うちにある数少ない日本のDVDソフトはこんな感じです。わかる人にはわかるね。

うちにある数少ない日本のDVDソフトはこんな感じです。わかる人にはわかるね。わからん人にはまったくわからんね。

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そんなわけで、わが家にテレビのある生活が戻ってきたのです。

助っ人君に電源が入った瞬間。「おおーっ」「社会とつながった!」「文明だ!」「まばゆいー!」

助っ人君に電源が入った瞬間。「おおーっ」「社会とつながった!」「文明だ!」「まばゆいー!」

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↑このときに感じたこと。

かつてはあたりまえに眺めてたテレビが、久々に目にすると妙にけばけばしくエネルギーが強すぎるように感じられ、また、こう言っちゃナンだけど「こんなの放送する意味あんの? 日本はこれでいいの?」って気分になった(その時たまたま映ったバラエティ番組が特にうるさかったせいでもあるけど・・・)。

それがテレビなし生活から数週間ぶりに復帰した瞬間の、率直な感想でした。

 晴れて『ゲゲゲの女房』も『おはよう日本』も『ひみつの嵐ちゃん』も見られるようになってバンザーイ。

だけど、以前よりも点ける回数や時間が減り、見たい番組が終わったらさっさと消すようにはなったですよ。

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この助っ人くんが活躍できるのは、地上アナログ放送が終了する2011年7月24日までだから、あとわずか330日あまり。

 それまでにはなんとかしなくちゃという状況に、変わりはないんですが。

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テレビといえば、先日JR名古屋駅で見かけたテレビ愛知の番組PRポスターには胸が震えました。だって司会が、つボイノリオ氏なんですってよ。1975年に発売からわずか20日で放送禁止となった名曲『金太の大冒険』の作者&歌手、ラジオの名パーソナリティとして知られるあのつボイ氏によるお茶の間情報番組だって(氏は愛知出身)。こういうテレビ番組はぜひ見たい。録画でも有料でもいいから見たい。

テレビといえば、先日JR名古屋駅で見かけたテレビ愛知の番組PRポスター(『3時のつボッ』)には胸が震えました。だって司会が、つボイノリオ氏なんですってよ。1975年に発売からわずか20日で放送禁止となった名曲『金太の大冒険』の作者&歌手、ラジオの名パーソナリティとして知られるあのつボイ氏によるお茶の間情報番組だって(氏は愛知出身)。こういうテレビ番組はぜひ見たい。録画でも有料でもいいから見たい。

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ブラウン管テレビの後ろ側。どうです、すでに懐かしいでしょう。

ブラウン管テレビの後ろ側。すでに懐かしいでしょう。

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※ぜひコメントを書き込んで下さい。ただし各回の題名(オレンジ色のタイトル部分)をクリックしてもらわねば投稿フォームがでないのです。すいません。追って改善します。

※ホームページに工事中の箇所が多くて申し訳ありません。執筆者への連絡は、出版社経由、あるいは下記へメールにてご連絡ください(個人的なご質問・お便りなどは申し訳ありませんがご遠慮ください)。

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注↑上のアドレスからメールを送信する場合は@の前後のカッコをとってください。

娘が[新しい靴と小ぶりのスポーツバッグが必要」と言い出しまして。父娘で神保町で買ってきました。シューズ6990円(セール品)+バッグ8000円(プロパー)=14990円。[小腹がすいた」と食べたラーメン750円×2=1500円。ふたりの交通費1360円。優しいお母さま(妻)へのおみやげなし。

娘が[新しい靴と小さめのバッグが必要」と言い出しまして、父娘で神保町で買ってきました。シューズ6990円(セール品)+バッグ8000円(プロパー)=1万4990円。[小腹がすいた」と食べたラーメン750円×2=1500円。ふたりの交通費1360円。けなげに待ってたお母さま(妻)へのおみやげなし。

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 日本の将来および私の明日の暮らしに直結する話題。ずばり、子どもにかかるお金の話です。

みみっちいとか自分には子供がいないから関係ないとか言わずに、まあ聞いてやってください(日本の国土に住んで税金払ってる人ならあながち無関係ではないし。少子化に直結してますから)。

うちは子供が一人ですが、それでもかなりお金がかかると痛感してます。「子どもって息を吸うだけでお金がかかるんかあ~~」ってぐらいの気分。

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娘が中学に入学したのは約1年前の春。

すっかり文化系だと思い込んでたのに「ソフトボール部に入りたい」と言い出しました。ほおお。スポーツ・汗・青春、いいじゃないか。

しかし頭の回転の早い母は思いました。

待てよ。ソフトボールって、やたらたくさんの道具が必要じゃなかったっけか。

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というわけで娘に言いました。「陸上部にしときなさい」

 ところが。生まれてから約13年間わがままを2回しか言ったことのない娘がこのときばかりはガンとゆずらず―――「絶対にソフトボールがええねん」

というわけで、お嬢さまは晴れてご希望のソフトボール部に入部されたのでした。ぱちぱち!(@@;)/♪

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 覚悟してた範囲とはいえ、それなりにまとまった出費はじゅうぶん「いたた」。しかも、私は運動をしたことがないので知らなかったんですが、運動部って初期費用だけでは済まないんですね。

●試合に出場するための交通費(グラウンドがある場所=遠方)

●スポーツドリンク(毎日1リットル)

●合宿費(参加しないわけにはいかない)

●「メガネは危ないからコンタクトレンズにしなさいって言われた」→使い捨てのワンデーアキビューに移行→1ヵ月約7000円(年間8万4000円)

などなどね・・・・

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そんなある日。保護者の茶話会でたまたま部活にかかるお金の話になり、私が「陸上部だと必要経費はシューズ代だけで済むのでしょうか?」みたいな話に触れたとたん、そこにいた保護者ズのみなさんがいっせいに・・・

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以下、陸上部の娘さんを持つお母さんの話。

 「一足1万4000円のシューズを毎月一足買わされます」

えーっと・・・それ、[一年に一足]の間違いでは? 

「いえいえ。一ヶ月で一足履きつぶしちゃうんですよ~~」

ひいーっ。14000円×12足=シューズだけで年間16万8000円???

「夏の合宿のときもね、宿舎で洗濯してる暇がないって、白のTシャツを20枚買わされました。陸上用のスパッツもソックスも消耗品ですし」

あわわわ。

「食費もかかりますよね。牛乳は水みたいにがぶ飲みだし、家に帰ってきたら夕飯前に菓子パン3個。それでも本人は太らないようにひかえてるらしいんですけど。あと、成長期で骨がうずうずするらしくて、しらすごはんが欠かせない」

そこで保護者ズから「しらすって高いのよね~」という声があがるあがる。

「あと遠征費・試合の出場費・整体・医療費・湿布代・・・」

ぎゃ―――!! もうわかりました、私が悪かったですごめんなさ―――い!!!

ちなみにそのお嬢さんは東京都大会でも優秀な成績をあげているホープ。有力選手だからよけいに費用がかかるみたいなんです。でもでも、たとえそうでなくてもねえ。

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結論。

「陸上部ならシューズ代だけで済む=安あがり」は、間違いである。

ちーん。

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それに比べれば、わが家の生半可な弱小ソフトボール部員のほうがはるかに安上がりってことです。

娘にその話をすると、ふふんと得意げな顔になり、

「そーだよかーさん。部費だってね、ソフトボール部は学校でいちばん安いんだよ。吹奏楽部なんて一ヶ月に部費だけで7000円だってよ」

 ねえみなさん。この話題もう疲れましたよね。わたひは疲れまひた。

 要するに、うちの娘はむちゃくちゃ安上がりってわけじゃなくても、かなりマシな部類に属するってこと。

子どもにはやっぱりお金がかかるんですね。二人も三人も四人もいるご家庭は、どれだけ大変だろうと思うわけです。

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娘よ。同じやるなら、ソフトボール一生懸命がんばりなさい。

ただしあんまり強くなっちゃうとなんか大変そうだからさ、えーとその、そこそこ充実感をもって一生懸命後悔のないように青春を謳歌して・・・↑なにを言っとるんだ。

 まあ今のところ、[強くなりすぎる]心配は、まっっったくなさそうですけどね。たはは。

 

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うちの夫は男三人兄弟。よりにもよって全員スポーツをやっていた。その母親(姑)から聞く、彼らが中高生だったときの話→[牛乳屋さんが車で3日ごとに売りにくるんだけど、一回につき1リットル×16本ぐらい買うから、ちゃんとうちの前で停まってくれたもんだよ。じゅん(夫・三男)は朝からジンギスカンを焼いて食べて、学校から帰ったらじゃがいも一キロをトースターで焼いておやつに食べて、ばんごはんのあとには1リットル入りのバニラアイスを父親と自分それぞれ一個ずつ抱え込んで早食い競争してたねえ。米はどれぐらい買ってたかねえ・・・えーと」・・・聞くたびに耳をふさぎたくなる、中途半端な怪談よりよっぽど怖いお話です。

うちの夫は男三人兄弟。よりにもよって全員スポーツをやっていた。その母親(姑)から聞く、彼らが中高生だったときの話→[牛乳屋さんが車で2~3日ごとに売りにくるんだけど、一回につき1リットル×16本ぐらい買うから、ちゃんとうちの前で停まってくれたもんだよ。三男(夫)は朝からジンギスカンを焼いて食べて、学校から帰ったらじゃがいも一キロをトースターで焼いておやつに食べて、ばんごはんのあとには1リットル入りのバニラアイスを父親と自分それぞれ一個ずつ抱え込んで早食い競争してたねえ。米はどれぐらい買ってたかねえ・・・えーと」・・・聞くたびに耳をふさぎたくなる、中途半端な怪談よりよっぽど怖いお話です。

 

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↑つっかけサンダル以外は、すべて、13歳/女子/中学生の靴なのです。

履き主はすべてバラバラだから、7人ぶんの13歳の女子の靴。

これをしげしげと眺めながら、そういえばなあ、と思ったのです。

自分がこの年齢だったときに履いていた靴のこと、はっきり覚えてるわーって。

通学のときの制靴ではなく、休みの日に友だちの家へお呼ばれとか、友だちと映画に行ったりするときの靴のことですよ。私の13歳のときのそれは、忘れもしない、赤茶色のモカシンだった。

インディアンの守り神みたいなビーズ刺繍と、フリジンがふさふさついている。大流行したので、きっと「持ってる」人は多いんじゃなかろうか。本皮で、色落ちが激しいので、雨の日には白い靴下がまっ赤茶色に染まって母から「水たまりをよけて歩きなさーい」と言われたものだ。でも汗をかいただけでも色は落ちるのです。

小学生の頃に「いわゆるおでかけ」ではいていた黒い革の、ベルトをホックでぱちんととめる『ピアノの発表会の靴」タイプって、かわいすぎて、そろそろ似合わなくなってきた。

(それ以前にもう恥ずかしくて履けない)

学校のローファーなんか絶対にいや。ちょっと大人っぽいヒール靴に憧れるぅ~♡

でも親から「あんたにはまだ大人っぽすぎるよ」と言われ、兄貴や姉貴からは「ぷぷっ」と漏れる。

その点、モカシンって、ちょう~どいいんですね。

流行をおっかけすぎず、かといっておしゃれを放棄しているわけでもなく。

カジュアルでありながら大人受けがよく、それなりにちゃんとした出先(模擬テストとか親との外食とか)でもOKで、かつ、脱ぎはきしやすい。

大人ほどの発言権はない。ものを買う決定権も財布の紐も親がもち、かといって心はもう子どもじゃないから、おませな格好もしてみたい。自分にとっての社会もどんどん広がっているのよお。でもまだじぶんはしょせん子どもだっていうことをわかっていたり、そこにまだ逃げ込める年齢であったりもする。

というわけで、モカシン。13歳の最大公約数靴だったと思うのです。

さて、ここに並んだ13歳の女子たちの靴は、それぞれのご家庭の玄関で、どのように言われているのでしょうねえ。

「おまえ、なんだあの靴は・・・・」

「ママにも貸してね、いまママと同じでしょサイズ」

「まだ大人っぽすぎるよ」

「下品だ、最近どんな友だちとつきあってるんだ」

「こんな靴、脱ぎ履きが不便だろう」

「あの子もいいかげんに、ちょっとぐらいお洒落に目覚めてほしいわ・・・・・・」

「ひもをちゃんと結んでおきなさい」

「かかと踏んではくなよ」

「ねえねえ。なんでわざわざこの色買ったわけー?」

「いつまでたっても洗わないから、きのう洗っておいたからね 次からは知らないよ 捨てるよ」

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さて、みなさまは。13歳のとき、どんな靴を履いてましたか?

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森優子 著者近影

森優子 もりゆうこ/Yuko Mori

旅行コラムニスト/イラスト・エッセイスト。1967年大阪生まれ。大阪芸術大学美術学科卒

学生時代、サハラ砂漠を歩いているときに出会った人物にスカウトされて上京、ガイドブックの編集事務所に就職。93年独立、イラストを含めた執筆活動をスタート。ユーモラスで地に足の着いた旅行術&生活術は、「そうそう」「あるある」「なるほど」という多くの共感を読者から得ている。現在は東京都内にて中学生の娘・夫との三人暮らし。訪れた国は約40カ国。

森優子の最新著作

買ってよかったモノ語り 表紙

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晶文社 1,500円(税別)